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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


呟いた途端、いきなり目の前が燃え上がった。

この記憶も…覚えている。

小さな足音が廊下に響いた。

そこには、右目は紅く服は血だらけの俺が歩いていた。

俺の記憶が正しければ…あの血は全部返り血だ。

俺は立ち竦んだままだが、景色は映画の様に勝手に動き出した。

ガキの俺は何日も宛てもなく歩き続けた。

心を闇に囚われたまま。


『殺したいと願った奴等を殺して、もう望むことはなくなって…俺にはもう何もなかったんだ』


同情ってワケじゃねぇけど…あの頃の俺に戻った気分だ…。


俺の心に反応する様に、景色が真っ暗になった。








あぁ…そうか…





此処はモンスターを倒す試練じゃねぇんだ。



此処は力を試されてるんじゃねぇんだ。



此処は…





心の強さを試されてるんだ。





『残念だが、過去に囚われる程俺は弱くねぇよ』



もうこの記憶は怖くねぇんだよ。


忌々しいし思い出したくねぇ事に変わりはねぇけど、


とっくの昔に恐怖は感じなくなったんだよ!


『俺は闇の滅竜魔導士だ』


闇の滅竜魔導士が闇に負けるなんて有り得ねぇだろーが。


そして俺が闇に屈しなくなったのは、俺の心の闇を除いてくれたのは…俺に滅竜魔法を教えてくれた邪神竜。

エリュシオンのおかげだ。


エリュシオンが俺の心の闇を祓ってくれたから、今の俺がいるんだ。


(人の愛を知れ)


そう俺に言い残してくれたんだ。


そして俺はアイツ等に会って、妖精の尻尾に辿り着いたんだ。


『"闇は悪ではない" そうだよな…エリュシオン』


それに闇は俺の…


『大好物だ!!』


俺は目の前の"黒"を吸い込んだ。


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