第2章 もう一つの魔法の世界
じゃあコレは…俺の記憶の中なのか…?
「盗魔眼の研究が進まない どうすれば…」
決定打を打たれた。
盗魔眼…それは俺の右目に埋め込まれた特殊な眼だ。
"他人の魔法を奪って最強の魔導士を造り上げる"
それが人体実験された俺に課せられた研究者達の目的だった。
「…ねぇ、"盗む"のは不可能でも"コピー"するのなら可能性はあるかもしれないわ」
そうだ…俺の記憶の通りなら"盗む"のを諦め"コピー"する方針に入ったんだ。
何処かへ行ったのか、二人の会話が耳に入らなくなった。
(止めろ…)
『!』
ガキの俺が呟いた…寝言、か…?
いや、口が動いてねぇ。
俺の…心の声、か…?
(俺は…お前らの道具じゃねぇ…)
『っ…』
(痛い…)
(憎い…)
(恨んでやる…)
(お前ら全員…)
(殺してやる…!!)
そうだ…俺は研究者達を恨んだ、憎んだ。
殺してやるって、心の底から思ったんだ。
『そして俺は…研究者を皆殺しにしたんだ』