第2章 もう一つの魔法の世界
「にしてもお前、少年が苦しむ度に喜ぶ癖は止めないか」
「だってあんな綺麗な顔が苦しみに歪むのよ?
興奮しないワケがないじゃない!
あぁゾクゾクするわ! もっと苦しむ姿が見たいわ!」
「相変わらず趣味悪い性癖だな…」
『!!?』
俺、は…俺は…思い出したくない記憶を…思い出して、しまった…かもしれない…。
いや、思い出したんじゃなくて…認識して、しまった、の…かも…しれない…。
だってこれは…まさか…!
俺は急いで二人が出ていった部屋に入った。
『なっ!?』
俺は…とんでもないものを見てしまった気分だった。
まるで"開けてはならはい"と言われたパンドラの箱を開いてしまった様な感覚に陥った。
部屋には少年が眠らされていた。
頭に包帯が巻かれているが、右目は血で赤く染まっている。
俺は…
この部屋を…
この少年を…知っている…
だって、これは…
『昔の…俺…』
ガキの頃の…俺だった。