第1章 幼少期と日常
その様子を見ていた全員が言葉を失った。
同じギルドの私やマスターも例外ではない。
アギトが滅竜魔導士なのは知っている。
だから咆哮などで倒すのかとばかり思っていただろう。
しかし使ったのは別の魔法。
アギトは滅竜魔法以外の魔法も使えるから、それだけならまだ納得がいく。
しかし皆が驚いたのは…魔法陣を展開した大きさ、それまでの時間、そして威力。
言葉が浮かんで来ない。
何と言えば良いのかわからなかった。
「…有り得ねぇぜ」
「…嘘じゃろ」
「凄いわねぇ~」
「強者ですな」
何時の間にか蛇姫の鱗のジュラが居た。
私はほぼ自分の真後ろから声がしたので少しびっくりした。
「流石、聖十大魔導の称号を叩き折っただけの事はありますな」
「そうねぇ~」
マスターボブとジュラがそう言うのを聞いて私とマスターは声を上げてしまった。
「何じゃと!?」
「何ぃ!?」
二人共「しまった」と同時に言う。
「ど、どういう事じゃ!」
「む、失言でした」
「説明せい!」
「私が話すわぁ~」
ボブはそう言うと思い出す様に私達に話した。