第1章 幼少期と日常
<エルザside>
一夜との戦い?を終えた私はアギトの姿が無い事に気が付いた。
するとマスターと四首の番犬のマスターのゴールドマイン、青い天馬のマスターボブが窓から何かを見ていた。
その視線の先にはアギトが居た。
アギトの前には様々な旗を掲げた魔導士達が居た。
私は見ただけで解かった…闇ギルドの奴らだと。
「マスター、私も加勢します」
外に出て加勢しようとしたがマスターに止められた。
「まぁエルザ、アギトなら大丈夫じゃからここで見ておれ」
私は「しかし」と言うが「アギトの成長を見てみたい」と言われ行かせてくれなかった。
正直、私も見てみたいと思っているのも事実。
最近アギトと一緒に仕事に行った記憶も、手合わせした記憶もない。
いや、アギトがS級魔導士になってからは一度も手合せをしてないし仕事にも行っていない。
昔より身長が大分伸び、魔力も上がっている所を察するに強くなっているのだろうと思っている。
「おいおい、幾ら何でも数が違い過ぎじゃないのか?」
「まぁアギトの事じゃ、心配ないじゃろ」
四つ首の番犬のマスター、ゴールドマインとマスターはそう言い、アギトが動くのを待った。
しかしアギトはコートのポケットに手を突っ込んだまま何もする様子はない。
とうとう闇ギルドの奴等は走り出した。
窓から見ても、アギトが深く溜息を吐いたのがわかった。
そして、右手を奴等に向けた。
「「「「!?」」」」
一瞬で闇ギルド全員を悠々と囲める大きさの黒と黄色の二つの魔法陣を重ねて地面に展開した。
そして一瞬で、
黒い雷が吹き上がった。
その場にいた奴等は戦闘不能となった。