第1章 幼少期と日常
『あのさエルザ…俺を殺したいのか?』
「違う! お持ち帰りしてあんなことやこんなことをしたいのだ!」
『敢えて何をしたいのかは聞かないとして、早く放さないと…俺死ぬぞ?』
「え…はっ! すまぬ子アギト!」
『ぷはあぁ! ハー、ハー、ハー!』
ほ、ホントに死ぬかと思った…。
つか俺、もっと早く言ってくれよ…。
「い、今のアギトと全然違うのね…特に髪型」
『この頃はよく女に間違えられてたからな…うっとおしくなってこの髪にしたんだ』
「へぇー、確かに女に見えるわね」
『あ…』
『……』
俺は両手と両膝を地面に付けて自己嫌悪していた。
多分俺のの周りに重苦しい空気が漂ってると思う。
「私のアギトに何をするルーシィ!!」
「ええぇ!? ど、どうしたの子アギト!?」
『そうそう…女に間違えられるならまだしも男ってわかってて女に見えるって言われた時いつも自己嫌悪してたなー…』
「えー、可愛いからいいじゃない」
『…何か言いましたか金髪のお姉さん?』
「ききき気のせいじゃないかしらぁああ!?」
男とわかって女に見えるって言われると尚更ムカツクんだけど。
だからおもいっきり殺気を込めて睨んでやった。
つか大人エルザ、今"私の"って言った?
「それよりもヤバイよアギト!? 子アギトにみつかちゃった!」
『落ち着けって 俺はこの時代でお前らに会った事があるんだ
いわばこれは当然の事態だ』
「そうなの!? 良かったー」
コントやってるみたいだな。
『俺も今思い出したんだが、俺はギルドの前で騒いでるのを見て気になって覗いてみたらお前らがいたという事は過去に経験してるから、問題無いと思うぜ?』
一応大人の俺が対処してくれて収まった様だ。
「では遠慮なく」
『遠慮しろー!』
抱き締められたと思えば今度は頬擦り!?
大人エルザって大胆…つーかショタコン!?
『おい俺、助けてくれ! 知ってんだろ俺がショタコン嫌いなのを!!』
『心配すんな エルザはショタコンだからそうしてるワケじゃねぇから』
「アギトが小さい~~」
『ショタコンじゃねぇかぁああ!!』
「…アギト、放っておいていいの?」
『…俺も放っとかれたからな』
「あらら…」