第5章 さらば、もう一人の友よ
「私の任務は失敗した…っ…大きくなり過ぎたアニマは…もはや、私一人の手では抑えられない…」
『なら俺も…』
「無理だっ…時間も無い…すまない…!」
『…お前に聞いた話の通りなら…』
「まもなく…っ、マグノリアは消滅する…」
ジェラールは絞り出すように言葉を紡いだ。
俺は怒りに歯を食い縛った。
その怒りはジェラールにではなく、アニマの向こうのとある人物にだけどな…。
『…アニマを通ったマグノリアは魔力の結晶、つまりラクリマに変えられるんだよな』
「っ、あぁ…」
『そのラクリマを魔力へと変換させると、もうみんなを救う事が出来ない…』
「……」
『…逆に言うと、魔力に変換せれるまでは時間がある』
「…!」
俺の言葉にハッとするジェラール。
『ラクリマはもう一度アニマを通ると、この世界…"アースランド"で元の姿に戻るんだよな』
「…あぁ」
『可能性は0じゃねぇ "エドラス"の人間とはいえ、お前も妖精の尻尾の魔導士だ
なら、やることは一つだろ?』
「…そうだな」
『みんなを助けるんだ 妖精の尻尾の魔導士は諦めが悪ぃって事を教えてやる!』
「…君には助けられてばかりだな…エドラスでも、アースランドでも」
『ん? エドラスでも俺はジェラールの役に立ってるのか?』
「十分過ぎるくらいだ 君達がいなければ…今の私はいないと言っても過言ではない」
『それは告白みたいだな ダメだぜ、あっちの俺が嫉妬するぞ』
「っ///」
顔赤くして可愛い奴。
世界は違ってもやっぱジェラールはジェラールだな。
『…行こう、エドラスの入口へ』
「…あぁ」