第1章 幼少期と日常
「馬鹿者! 見張りだというのに何考えてるのだ!」
「お前が行ったってアギトの足で纏いにしかならねぇだろうに!」
「俺は此処にいるぞ!」
「「…え、」」
隣にもグレイがいた。
「「…は?」」
目の前にいるのはグレイ。
シムルグと戦ってるのもグレイ。
しかしアギトがいない。
「あれは…アギトなのか…?」
『(ご明察っ)』
アギトの魔法、"変身"(ドッペルゲンガー)。
コピーした者の姿に変身することが出来る魔法だ。
また変身した姿だとコピーした魔法の威力を強化することが出来る。
更にこの魔法は声もその人に変える事が出来るのか長所である。
逆に短所は、変身した人の魔法しか使えない。
本来の姿ならコピーした魔法を同時に放ったり、重ねたり出来るのだがそれが出来なくなる。
「アイスメイク・"ソーサー"!」
グレイと戦った時の様に目の前に魔法陣を展開させ、そこから無数の氷の刃のようなものを発射してシムルグを攻撃をする。
しかしそれはシムルグ本体ではなく、シムルグの翼目掛けて。
地面に落とすのが狙いだったのだが、シムルグ自らアオアシラの死骸とアギトの間に降り立った。
まるで、アオアシラの死骸を守るかの様に。
「…成程、俺に横取りされると思って襲ってきたっつーことか」
グレイ(アギト)がそう言った。
「だが、俺の狙いは…お前だ!」
グレイ(アギト)の体が光りだした。
そして身長が高くなっていく。
光が収まって、アギトは…
「終わらせるぜ!」
「「「ラクサス!?」」」
…の姿になっていた。