第4章 再会と離別を同時に
何もないところで何故か躓き、短い悲鳴を上げながら思いっきり床にダイブする女の子がタイミング良く目に入った。
いや、入ってきた。
「っ…いったーい…」
「「ん?」」
「?」
みんなの視線に気が付いたのか、転んで乱れた服をポンポンと叩いて直し、少し照れながらこちらに向き直る女の子。
「あの…遅れてごめんなさい…化猫の宿から来ました、ウェンディです
よろしくお願いします!」
「子供!?」
「女!?」
「ウェンディ?」
驚きを隠せずにいる皆を見、ウェンディは居心地悪そうに苦笑する。
そんなウェンディをジュラは一瞥し、あまり表情を変えぬまま口を開いた。
「…これで全てのギルドが揃った」
「…それにしても、この大がかりな作戦にこんなお子様一人をよこすなんて…化猫の宿はどういうおつもりですの?」
「あら? 一人じゃないわよ、ケバいお姉さん」
シェリーの問いに答えたのはウェンディではなく、また別の誰か。
「はっ…!」
声の主の姿を見るなり、ハッピーがこれでもかと言う程に目を見開く。
「……猫…?」
「だな…」
「ハッピーと同じだ…」
「しゃべってる…」
「シャルル…!」
シャルルと呼ばれた白い猫は腕を組み、フンと鼻を鳴らす。
聞けば、ウェンディ一人では心配で付いて来たとのこと。
「あ、あの…私…戦闘は全然できませんけど…皆さんの役に立つサポートの魔法はいっぱい使えます…」
自信なさげにそう話すウェンディ。
「えっと…だ、だから…」
黙ったままの皆に不安を感じたのか、ウェンディはわたわたと焦りながら涙目で口を開く。
「…な、仲間外れにしないでくださいー!」
「あぁもう…! そんな弱気だからナメられるのアンタは!」
「ご、ごめん」
「だからすぐ謝らないの!」
「ごめん…!」
はぁ、と溜息をつくシャルル。