第4章 再会と離別を同時に
「何でこんな作戦にあたしが参加することになったのー!?」
紫色をした猪のような生き物に引かれる荷車の中で、ルーシィが今更ながらそう叫んだ。
「俺だって面倒くせーんだ ぶーぶー言うな」
「ぶー」
今ナツ達が向かっている場所は、それぞれのギルドから選出された魔導士と顔合わせをするために設けられた集合場所だ。
妖精の尻尾から連合に選出されたのは、ナツにグレイ、エルザ、ルーシィ、ハッピーの五人。
他のギルドとの合同作戦は今回が初めてなので、まず同じギルド内で連携がとれていないと話にならない。
なので、ほぼいつも行動を共にし、戦力も大体揃っているこの五人、つまり最強チームが選出されたのだ。
「マスターの人選だ 私達はその期待に応えるべきではないのか?」
「うぅー…」
不安げに唸るルーシィにエルザが頑張るように言うが、でも…と言葉を詰まらせる。
「バトルだったら、ガジルやジュビアだっているじゃない」
「二人とも別の仕事がはいっちゃったからね」
「そもそも何でアギトはいないのよ!?」
「アイツは評議院直々の命令で不在だからな」
「てか…、まだ…つかね…の、か…?」
「あ! 見えてきたよ!」
ハッピーの声に全員外を覗く。
木々が生い茂っている森の中に、ポツンと浮かぶように立つ大きな建物。
こんなやり取りをしているうちに、集合場所に着いたようだ。
「…趣味悪いところねー…」
「青い天馬のマスターボブの別荘だ」
「アイツか…」
苦手だな…、と顔をしかめるグレイに、そう言うな、とやや苦笑気味にエルザが窘める。
「う…まだ…、つか、ねぇの…か…?」
「着いてるよ、ナツ…」
ハッピーがナツに言った時、パッとあたりが暗くなった。