第2章 もう一つの魔法の世界
<ナツside>
「まだ言ってんのかよナツ」
「もう二年だぜ?」
「いい加減諦めろよ」
何度言っても何日経ってもそう言われるだけだった。
誰も信じてくれねぇ。
俺はずっと信じてるのに!
「何でみんな諦めちまうんだよ!」
「もう止せ、ナツ」
「エルザ!」
エルザまで止めろって言いやがる。
何でだよ…何でなんだよ!
「二年前、評議院が現場を隈なく探してくれた
しかし奴は見つからなんだ…」
「じっちゃんまで!」
「いい加減にしろよクソ炎」
「うるせぇんだよ氷野郎!」
「お主も見たじゃろう あの血まみれの現場を」
「でもアイツはいなかったじゃねぇか!」
「お主の言う通りなら何故奴は此処におらんのじゃ」
「それはっ…わかんねぇから探しに行こうって言ってるんじゃねぇか!」
「ナツ!」
「っ、」
エルザが目を伏せたまま、首を横に振った。
何でそんな事するんだよ。
何で諦めちまうんだよ。
何で…俺にはわかんねぇよ…仲間だろ!?
「馬鹿野郎ぉおおお!!」
俺はギルドを出て走った。
何処に行くワケでもなくただ走った。
走って走って走り続けて…気付けば昔河原だったところに着いた。
そこはガキの頃グレイと殴り合いをして、その様子をエルザとアイツが眺めていて…。
「…何で…」
信じてくれないんだよ…。
「アギトが…生きてるって…」