第2章 もう一つの魔法の世界
『…!』
まさか、と疑いたくなる声が聞こえた。
成程…まだ可能性はある。
世界を救う手段があるじゃないか…!
俺は声がした方へ急いだ。
そいつは雲に隠れる程高いところにいた。
『来るのが遅ぇんだよ…
シンドバッド』
バアルを魔装したシンドバッドがいた。
「遅くなって悪かったな」
『おう悪ぃわ 今度酒奢れ』
「アギトが酌してくれるのなら喜んで」
『酔い潰れてジャーファルに怒られても知らねぇぞ』
「それは困る」
冗談なんか言ってるヒマねぇハズなのに、シンドバッドが来てから妙に余裕が出来たぜ。
絶対ぇ言ってやらねぇけどな。
『バアルの属性は雷だっけ』
「あぁ 出来るか?」
『勿論』
久々にお前の魔法使うなぁ…ラクサス!
俺とシンドバッドはお互い魔力を高め、<依り代>に向かって放った。
「あっ!?」
「ああっ!?」
この雷の攻撃でアラジンくん達もシンドバッドが来た事に気が付いたみたいだ。
「行くぞアギト!」
『了解!』
「"雷光剣"(バララーク・サイカ)!!」
『"レイジングボルト"!!』
同時に雷を<依り代>に向かって放った。
紅炎達との極大魔法の時同様、同系統の魔法を同時に使ったからか、疲れてるハズなのにそのわりには威力が強かったぞ。