第2章 もう一つの魔法の世界
「何をボーッとしている」
『一瞬耳鳴りがして…悪ぃ俺にもわかんねぇ』
「気を抜くな それより、奴のあの手は何なんだ?
どうやってアシュタロスとイフリートの炎を消してるんだ…」
確かに、<依り代>を覆ってた俺と紅炎の炎が減っている。
体を拭くみたいに触れたところから炎が消えていってるんだ。
どうゆー事だ?
炎からルフを吸い取ってるのか?
奴は炎を消しながら地面に手を付いた。
するとそこにあった木や草、鳥達が一気に…死んだ。
「アイツを街から離さなきゃ!!」
「どうしたのアラジン!?」
「お願いだ! アイツの手の平に触れられたら…炎でもなんでも木も鳥も、マグノシュタットの人達も…ルフを奪われてしまうんだよ!!」
「何だって!? それはあの雲の上のアイツの事じゃなかったのかよ!?」
『恐らく僅かながらに同化しちまってたんだ
今のうちに何とかしねぇと…!?』
奴は頭を膨張させ、無数の腕に形を変えた。
気持ち悪ぃ奴だなぁ!
その腕の幾つかは空に昇り、空から黒い奴を引っ張っている。
『引き降ろそうとしてるのか!?』
「そうはさせるかよ!」
アリババくんが<依り代>に突っ込んて行った。
だが<依り代>が手を翳すとバリアみたいなのが展開され、行く手を阻む。
アリババくんが切り裂こうとするが、全く効かなかった。
あれも防壁の一つなのか?
「くっ!」
他の無数の手がアリババくんに襲い掛かる。
ギリギリ躱すが、そのうち一つがアリババくんの手に掠った。
掠っただけなのに地面に叩き付けられた。
「アリババくん!」
アラジンくんが叫び、それを見た紅炎も攻撃を仕掛ける。
しかし斬撃も爆発も防壁みたいなので防がれてしまう。