• テキストサイズ

闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


「おい」


アモンが言いにくそうに口籠ったところで、ずっと話を聞いていた紅炎が前へ出た。


「ソロモンの移し身? 何の事だ
 それに…まさか…<別の世界>とは…ソロモン王が支配していたという、かつて滅びた世界の事か…?」

「えっ…何で、おじさんがアルマトランの事を知ってるの…?」


アラジンがそう答えた途端、紅炎の目つきが変わった。
獲物を見つけた肉食獣の様に鋭いものになり、アラジンの胸倉を掴む。


「今すぐ…知ってる事を全て話せ!!」

「い…痛いよ! おじさん…」

「おぉ紅炎様! マギにご無体はお止めください!」


アシュタロス、フェニックスが止めようとするが紅炎の目つきは変わらないまま。
アリババがアラジンを助けようとするが微動だにしない。
そうしてる間にもアラジンはいい方法が無いか懸命に考えた。


「…そうだ! おじさん達が兵を引いて<依り代>を破壊するのを手伝ってくれたら全部話すよ!!」

「「「「ええっ!?」」」」


アラジンの提案はその場にいたジン達全員を驚愕させた。


「いいんですかマギよ…」

「こ…こちらの人間にベラベラ喋っては、ソ…ソロモン王の…作った運命の正常な流れがっ…」

「もう非常事態なんだ、形振り構ってられないよ」

「いいだろう」


紅炎は提案を飲み、アラジンを放した。

そして大きく息を吸い込み…



「アギト!! 紅明、白龍、白瑛、紅玉!! 今すぐ俺の元へ来いッ!!」


遠隔透視魔法でアギト、紅明、白龍、白瑛、紅玉を呼んだ。
いきなりの大音量でみんな耳鳴りに唸っている中も負傷者の救護を指示する。


「し…信じるんですか!? 今の途方もない話を…」

「信じるも何も、これこそが俺の求めていた歴史の深淵だ
 もし世界を一つにす前にこの世の謎が解けるなら…この先何千と戦を繰り返す必要もない
 それにアギトが元の世界に帰れる手掛かりにもなるかもしれない…おいマギ!」

「(ビクッ)!?」

「煌帝国全ての金属器使いの力を貸してやろう
 その代わり…全てが終わった後には…この俺に、世界の真実の全てを差し出せ! いいな!!」


紅炎の目がギラギラしている事に怯えるアラジン。
先程までぼんやりしていたのに、別人の様に目つきが変わったのだ。


/ 510ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp