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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


<side out>
アリババのジン、アモン。
紅覇のジン、レラージュ。
紅炎のジン、アガレス、アシュタロス、フェニックスの説明により事態は急変した。

空にある"暗黒点"を塞がなければ、世界は消滅してしまうとの事だった。
世界の消滅を阻止するには<依り代>を破壊するのだとアモンは言った。
悪意の化身である<黒の神>(イル・イラー)は本来この世界に存在するハズのない全く高次元の高位の存在。
それをこの世界に引き下ろす力点こそが"依り代"。

それこそが、アル・サーメンが"世界の異変"を引き起こして作ろうとしていた最終目的なのだ、と。


「そして<依り代>とは別の目的がアル・サーメンにはあった」

「別の目的?」

「<黒の神>とは別に暗黒の王をこの世界に呼び寄せたのじゃ」

「暗黒の、王?」

「! まさか…」

「そうです紅炎様…


 この世界に迷い込んだ異世界の魔導士




 アギトという男です」


アモンとアシュタロスが紅炎達に告げた真実はこうだった。

アル・サーメンは闇の滅竜魔導士であるアギトをこの世界に送り込み、暗黒の世界を作り上げる為に利用しようとしたのだ。
しかし異世界から来た為、アギトには魔力(マゴイ)を持っていなかった。
そして邪竜の滅竜魔導士だからといって邪な心を持っているワケではなく、はたまた運命を恨んでいるワケでもなかった。
それでもアル・サーメンはアギトを仲間に入れる事を諦めておらず今に至る、と。


「なんとか魔導士ってのはわかんないけど…それを壊せばいいんだね」

「そうです しかし厳しい戦いになりますぞ…例え<ソロモンの移し身>たる貴方様がいてもです」

「だけどあの<依り代>を壊せば、アギトお兄さんは元の世界に帰れるんじゃないの?」

「…残念ながら、<依り代>を破壊したからといって彼が元の世界に帰れるかは話が別でして…」


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