第2章 もう一つの魔法の世界
<アギトside>
無事勝利した俺はシャンバルさんに呼ばれてある部屋に向かっていた。
話があるらしいけど…何の話だろう?
ドアをノックして声をかける。
『失礼します、アギトです』
「入りなさい」
返事がしたので部屋に入った。
此処はシャンバルさんの部屋なのかな?
「試合が終わって早々申し訳ないね」
『いいえ 俺に何の用でしょうか?』
「むぅ…単刀直入に言うが、君の力は何かね?」
『…へ?』
シャンバルさんの話によると、俺からは全く魔力(マゴイ)を感じない代わりに何か違う力を感じるんだとか。
ジュダルにもアラジンくんにも言われたし確かにそうだけど。
シャンバルさんもマギなのかと思ったら、魔力(マゴイ)操作と言う能力を扱っているからわかるらしい。
トトが使ってた"気功剣"が魔法操作を使った技なんだってさ。
俺は誰にも言わない事を約束して異世界から来た事を話した。
勿論アリババくんは知っている事も話してる。
「もう五年になるのかね」
『はい 何か心当たりはありませんか?』
シャンバルさんは顎に手を当てながら考えた。
「…昔、君みたいな人が描かれた壁画を見たことがある様な…」
『俺みたいな、と言うと?』
「手に何かを纏わせている人物だったと思うが…随分昔の事だからよく覚えてないがね」
『手に纏わせる…こうですか?』
俺は右手に邪竜の魔力を纏った。
「そう! そんな感じだった気がする」
『何処で見たんですか』
「残念だが何処だったかは覚えてなくてな」
『そうですか…』
謎の壁画…もしかして何かの手掛かりになるかもしてねぇ。
だが何処にあるんだ?
もし相当古かったらもう崩れてるかもしれねぇだろ。