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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


<side out>

 「し、勝者…"ヤンバラ"剣闘一座の新鋭アギトー!!」

「うおぉおお!」

「凄ぇ、ホントに倒しやがった!」

「ゴルトをたった蹴り二発で!?」

「強ぇぞアイツ!!」


闘技場はアギトが素手で勝利したことで凄い賑わいを見せていた。
その中でも少し高い場所で闘技場内を良く見渡せるところで赤髪の男が戦いを見ていた。


「この前の新入りもですが…今日の新入りも随分元気がいいようですね
 でも貴女は剣闘などお好きではないでしょう?


 シェヘラザード様」


男が振り向いたその先には騎士が両端に整列しており、その真ん中に一人の女が立っていた。
長い金髪の一部を2本の三つ編みにし、葡萄の冠を被った女だった。
彼女はレーム帝国の最高司祭、シェヘラザード。
この国の<マギ>である。


「少し…気になる気配がして…」

「この前の少年と同じくルフの導きというものですか?」

「いえ…今回は違います」


何故なら…彼からは魔力(マゴイ)を感じられないから。
その代り違う力を感じます。
黒く凄まじい力…しかし悍ましいとは思えない、そんな不思議な力。


シェヘラザードはアギトを見つめていた。



(貴方は…何者なのですか…?)


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