• テキストサイズ

闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


翌日、全ての皇子や皇女が集まって陛下の元へ赴いた。
そこへいたのは父、紅徳と母、玉艶だった。


「お帰りなさい…愛する息子たちよ…」


玉艶は現れた紅炎達に優しく笑いかけながら言った。
しかしその笑みは優しいハズなのに、何故か背筋が凍るような怖さも感じられた。


「どうしたの…こっちへいらっしゃい 皇女達など嫁いで以来ね…陛下もきっとお喜びになられるでしょう…」

「お…お父…さま…?」


玉艶の側で寝かされているのが紅炎達の父、紅徳だ。
顔は白い布で覆われているが、不気味な出来物が体中にまわっていた。
変わり果てた父の姿に紅玉達皇女は恐怖し、うっすらと目に涙を溜めた。


「陛下は…病で?」

「えぇ…ずっと患っておたれたけど、急変なさって…さぁみんな、父上にお別れを言って」

「……」


その様子を見ていた白龍はただ睨む様に見ていた。
皇帝ではなく玉艶を。

紅炎は父である皇帝の元へ近付いた。
だがそれよりも先に紅炎に縋る者がいた。


「紅炎…」


玉艶だった。


「もう私には貴方しかおりません…支えてくれますよね? 最愛の息子よ…」


その様子を見ていた者の反応は様々だった。
嫌そうな顔をする皇女達。
それ以上に嫌そうな表情な紅覇。
興味無さそうに無表情な紅明。
恥ずかしくなって目を逸らす紅玉。


「では、陛下のご遺言を読み上げます」


神官の言葉にみんな黙る。
静寂と化した空間の中、皇帝の遺書を読み上げる神官の声しか響かなかった。


「"朕、終わりに臨んで遺詔を託す 是れを以て位を算ひ皇位を譲る

  煌帝国第三代皇帝は…





  練 玉艶

  並びに<神官>一同是を輔けよ 国事を委す"」


/ 510ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp