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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


<side out>

アギトがイフリートを、白龍がザガンを攻略して数カ月が経った。
ここ数カ月アギトは紅炎の護衛として行動を共にしている。
一時煌帝国へ帰還する時に白龍の稽古の相手をしていた。

そして今、紅炎は煌帝国へ帰還している。
紅炎の父であり煌帝国第二代皇帝、練紅徳の訃報を受けたからだ。


「総督のご帰還だ!」


誰かの声で一斉に紅炎に跪く。
勿論その斜め後ろにはアギトの姿もあった。


「久しいな 白龍、白瑛」


久し振りであることもあってか、白瑛は少し緊張気味だった。
対して白龍は動じる事無く紅炎を睨む様に見据えていた。


「征西軍総督閣下ご帰還!!」


この声で白瑛も跪く。
しかし白龍は紅炎に立ち塞がったままだった。

だが紅炎は機嫌を損ねるどころか口角を上げた。


「片腕を無くしながらも迷宮を攻略したとアギトから聞いた よくやった」


白龍の肩に触れ労いの言葉をかける。


『済まない紅炎、俺がついていながら…』

「まだ気にしていたのか 案外お前もバカだな」


未だに気にしているアギトに呆れながらも慰める様に頭を撫でた。
居候とはいえ五年も行動を共にし弟の様に接してきた故に出来る行動だった。
寧ろ他の兄弟達と比べても最も兄弟らしく見えた。


「紅覇が戻るまであと半日程かかるかと…」

「ではそれまで待て 陛下の元へは兄弟全てが揃ってから赴こう」

「はっ!」


通り過ぎてもなお白龍は紅炎を見ていたが、紅炎は気にしなかった。


「アギト、お前はどうする」

『俺みたいな奴が陛下の葬式に出席するなんて烏滸がましいだろ
 だけど色々と世話になったから…せめて姿を隠して出席したい』

「わかった、許可しよう」

『ありがとう』


この後紅炎は書物庫へ、アギトは自室へ帰った。
数時間後マグノシュタットから紅覇が帰還したが、今日はもう遅いから明日行く事になった。


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