第2章 もう一つの魔法の世界
しばらくしてトランの民の島に着いた。
ザガン組は駐屯地に向かうらしいからここからは別行動だな。
『じゃあ白龍、頑張れよ』
「はい、お気を付けて」
「そーいえばアギトさんはどうやってその無人島に行くんですか?」
『空飛ぶんだよ』
「…へ?」
『白龍も気を付けるんだぞ』
「はい!」
白龍の頭を撫でながら言うと照れくさそうに少し顔を赤くしながらも返事してくれた。
うん、可愛い。
ナツやグレイを思い出すぜ。
『後で会おうな』
俺は足に魔力を溜めて高く飛び上がり、天体魔法の力で無人島を目指した。
アリババくんの驚いた声がしたけど白龍が説明してくれるだろう。
そーいえばカオスやガイアはジャングルみたいだったけど、今向かってる迷宮はどんなところなんだろ。
俺はカオスとガイアに話かけた。
今思えばこれって念話みてぇだな。
『(カオス、ガイア 今向かってるジンは誰なのかわかるのか?)』
<<迷宮入んねぇとわかんねぇ>>
『(入ったらわかるんだな)』
<<おう>>
『(あ、そーいえばさ、お前等は複数攻略されても平気なのか?)』
<<何がだ?>>
『(さっきシンドバッドに聞いたんだ ジンの中には複数金属器を持つ事を嫌う奴がいるって)』
<<今更そのような事を気にするか>>
<<別に俺達は気にしてねぇぞ まぁ中には浮気者っつって嫌う奴もいるけどな>>
『(浮気者って…)』
<<あぁ アモンとか、レラージュとか>>
『(レラージュもなのか)』
確か紅覇のジンだよな…。
アモンって確かアリババくんのジンだっけ?
え…普通に迷宮攻略行っちまってるけど大丈夫なのか?
<<寧ろ複数攻略した者しか受け入れぬ者もいる>>
『(そうなのか?)』
<<おーいるいる! 本来ジンを複数従えるのは凄ぇ難しい事だからよ、それ程の実力者じゃねぇと認めねぇって奴もいるんだ
現に今のところ複数攻略者はアギトを入れてまだ三人しかいねぇだろ?>>
『(成程)』
<<迷宮に入ることすら出来ぬ>>
『(入れねぇのかよ!?)』
迷宮攻略なのに迷宮に入れねぇって致命的じゃねぇか!