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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


『一重魔法陣・"影牽"!』

「ぐっ!?」


夏黄文の足元に魔法陣を展開して動きを封じた。
ヤムライハさんの目が光ったが、今は気にしない事にした。


「あ、アギト殿…?」

『シンドバッド』


煌帝国の兵が困惑した様だが、そんなの気にしねぇ。
俺はシンドバッドに煌帝国の挨拶の様に右手を丸めて左手で包み込み、片膝を着いて頭を下げた。


『今度の騒動、紅玉を守れなかった俺の不義でもある
 "他国の怪しい魔法"と言ったが、俺は煌帝国でも似たような透視魔法を見た事がある
 その信憑性は確かなものであり、この水魔法も正しいと見る
 そうだろう? 夏黄文』

「……ハイ」

『俺は居候の身でありながらこのような言動…烏滸がましい行為かもしれない
 しかし同行者の非礼、白龍皇子の護衛として煌帝国を代表しお詫び申し上げたい
 ですが今度の"留学"の重大な目的は全く別にあるゆえに…どうか白龍皇子の滞在をお許しください』


…噛まずに言えた!
全くアドリブで言えた!
言葉変じゃねぇ?


「顔を上げてくれアギト、君は俺の大切な友だ 勿論許可するよ」

『真に感謝致します』

「それと…君に敬語で話されるのは苦手だ 普通に話してくれ」

『シンドバッド王の命とあらば、な』


最後は自然と口角が上がった。
アイコンタクトっつーのかな、言葉にしなくても目で通じるってやつ。


「こんなくだらないことで…」

「アギト殿に膝を折らせてしまうとは…」


いやいや、俺単なる居候だからな。
そんなお偉い身分じゃねぇからな?
まぁ紅炎に気に入ってもらえてるだけ偉いって事なのか…?


「アギト殿、ありがとうございました」

『気にすんなって 俺は身分とか気にしねぇから何の不甲斐なさも感じねぇしな』

「いいえ、貴方のおかげで滞在を許されたのです 本当に感謝しています」

『そう思ってくれてるんなら、頑張ってザガン攻略しろよ?』

「はい!」


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