第2章 転校
「い、一之瀬学院って…あの一之瀬学院のことだよね!?」
共同不信になりかけている私にお父さんは落ち着け、と手で制した。
「あの一之瀬学院だ。県内1…いや、日本1の進学校として有名で、多くの有名職就職率No.1で、学園内面積は街一つ分というぐらい大規模で…」
「いや、お父さんこそ落ち着こう!?」
しどろもどろになりながら話すお父さんを見て、どうにかできないのかなぁ、と思う。
「っていうか、私の成績で、一之瀬学院なんて学校に入れるの?」
私の些細な疑問に、お母さんは涙目で
「そうよねぇ。成績が一番の問題よねぇ!!あぁ、どうしよう…」
いや、何もそこまで不安そうにしなくてもいい気が…
私の成績は確かに普通以下だけど、やればできるかもっ!!
でもなぁ…
私はお父さんとお母さんの方に視線を向ける。
「学院内には、たくさんのイケメン、美少女がたくさんいて…」
…お父さん、イケメンとか美少女とか、今は気にしてる場合じゃないでしょ。
「今からでも学校、変えられないかしら。ああ、でも、もうお金、払っちゃってるし…」
お母さん、私よりお金が先ですかっ!?
うぅ…、ここは、一つしか選択がない気がする…
「お父さん、お母さん。
私、
一之瀬学院に入るよ」
これしかない!!