第2章 転校
お父さんとお母さんのいるリビングに降りてきた私を見た途端、
お母さんは気まずそうな顔をした。
「咲夜…、あなた確か行きたいって言ってた学校、『一之瀬学院』だったわよね?」
「へ?いや、違うけど。」
そう言ったら、お父さんとお母さんはピシッと音でも立てたかのように固まってしまった。
「ほらっ!!やっぱり違うじゃない!!どうするのよ!!」
お母さんは涙目になってお父さんに掴みかかっていった。
お父さんは額から汗がだらだらと出ている。
?二人ともどうしたんだろう?
それに、お母さんがさっき言っていた『一之瀬学院』って、あの有名な進学校でしょ?
…いったい何が起こっているんだろう。
そんな風に私が思っていると、お母さんが突然、私に頭を下げた。
「えっ!?ど、どうしたの?」
私はいきなりのことに頭がついていかず、おろおろとしているばかり。
「咲夜、本当にごめんなさい!!あなたの転校先、なんだけど…
一之瀬学院にしちゃったの!!」
…えぇ!?