第5章 此に病める者あり
夜──旧男子寮の一室
奥村先生
「皆さん、少しは反省しましたか?」
僕達は今、正座した脚の上に囀石(バリヨン)を乗せるという罰を受けている。
囀石は石類に憑依する悪魔で、基本的には無害だけど…持つと吸着するように重くなり、不気味な声で鳴く。
その囀石を腿に載せてる訳だから…めっさ辛い。
志摩君
「||||な…なんで俺らまで…」
奥村先生
「連帯責任ってやつです。この合宿の目的は〝学力強化〟ともう一つ、〝塾生同士の交友を深める〟っていうのもあるんですよ」
神木さん
「こんな奴らと馴れ合いなんてゴメンよ…!」
勝呂君
「!コイツ…!」
奥村先生
「馴れ合ってもらわなければ困る。祓魔師は一人では闘えない!お互いの特性を活かし、欠点は補い、二人以上の班(パーティ)で闘うのが基本です。
実戦になれば、戦闘中の仲間割れは、こんな罰とは比べものにならない連帯責任を負わされる事になる。そこを、よく考えてください」
本当その通りだ…特に神木さんには、注意して貰わないと…!
奥村先生
「…では僕は、今から三時間ほど小さな任務で外します」
奥村君
「⁉︎」
奥村先生
「…ですが昨日の屍の件もあるので、念のためこの寮全ての外に繋がる出入口に施錠し、強力な魔除けを施しておきます」