第1章 学園と塾
魔障は、悪魔から受ける怪我や病気の事で、一度でも受けた人は悪魔を目視する事が出来るようになる。
普通の人には要らないものだけど、祓魔師になるには不可欠。
僕はもう視えるから、関係ないんだけど…
奥村先生
「実はこの教室、普段は使われていません。鬼(ゴブリン)族という悪魔の巣になっています」
茶髪女子
「え⁉︎だ…大丈夫なんですか…?」
奥村先生
「大丈夫です。鬼の類は、人の居る明るい場所には通常現れません。イタズラ程度の魔力しか持たない、下級悪魔なので……人が扱い易い悪魔なんです」
鬼族を使い魔にしている祓魔師も多いしね。
奥村先生
「しかし、動物の“腐った血”の臭いを嗅ぐと、興奮して狂暴化してしまう」
奥村先生が、鞄から1本の試験管を取り出した。
奥村先生
「今回は、鬼族の好物の牛乳で血を割って…10分の1に薄めたものを一滴垂らして、数匹の鬼を誘き出し…儀式を手伝って貰います」
生態を知るにも良い機会なので、と先生が付け加える。
奥村先生
「皆さんは、僕が準備するまで少し待っていて下さい」
奥村先生が準備を始めると、奥村君が再び立ち上がり、教卓に詰め寄った。
奥村君
「おい!」
奥村先生
「……何ですか?」