第2章 ヨハン・ファウスト邸
僕
「……う…!」
動こうとしても、拘束が解けない。
寝てるクセに、なにこの馬鹿力。
…しょうがない、起こそう。
体を捻って、フェレス卿に向き直る。
僕
「フェレス卿、起きてくれませんか?」
軽く叩いたり揺すったりしてみるけど…
フェレス卿
「ZZZZ…」
全然起きない。
どうやら爆睡中らしい。
起こすのは難しいかな…でも、このままはヤバイ。
人の温もりに慣れてない僕は、この状況で平然とは出来ない。
フェレス卿…ファウスト理事長は、結構女子生徒から人気だ。
道化師みたいな格好や変わった喋り方、何処が人気なんだとクラスメイトに訊いた事がある。
その生徒曰く「イケメンだし紳士だから!」とのこと。