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【うたプリ】足し算恋愛事情

第15章 Side Cの事情



 気が付けば、静かな車内のままプラネタリウムがあるところに到着する。不思議と彼との沈黙は、辛いものではなかった。


「お手をどうぞ、お嬢様」
「なんだか恥ずかしいです」
「気にすることはない。狙ってやっているのだからな」
「カミュ!」


 しっかりと繋いだ手。きっと病室で籠りっぱなしの私を気にかけて、こうした場所へ連れてきてくれたのだろう。でないと、彼だって忙しいはずなのにわざわざ貴重な休みを私と過ごしてくれるわけがないから。


「わぁ……見た目は映画館みたいですね!」
「あの大きな機械で、人工のプラネタリウムを見ることが出来る。天然ものを見せてやれないのは残念だが、いずれオーロラでも見せてやろう」
「ええ!? オーロラってあのオーロラですか!?」
「俺の住んでいたシルクパレスでは、珍しいものではないぞ」
「へぇ……シルクパレスって、寒いところなんですね」
「そうだな……日本でいう、北海道のようなものだな」


 ふかふかの座席に腰を下ろし、私たちは開演を待つ。その間に最近の近状報告や、仕事でも面白かった出来事をカミュは話してくれた。

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