第15章 Side Cの事情
美風さんからの電話を貰ってから、あれから更に二日過ぎた。美風さんの言葉を思い返しながら、今日もテレビを眺めているだけの日々。外といっても、散歩する以外に一人で出かけられる範囲は限られている。
「天音、今日は外へ出かけるぞ」
「カミュ……?」
「ドライブの許可を主治医から貰ってきてやったぞ」
「カミュは運転できるのですか?」
「嗜み程度にはな。準備が出来れば玄関先まで出てこい、先に準備している」
「あ、はい!」
ドライブは初めてで、少し緊張する。そういえば、先日愛佳さんがプレゼントしてくれた服を着てみようかな? よし、自分でメイクもしてみよう!!
「カミュ、喜んでくれるかな」
彼の驚く顔見たさに、精一杯おめかししてみる。
鏡の前で入念にチェックをし、病室を出ていく。すれ違う看護師さんたちに「デート?」と冷やかされてしまったけど、そうか!! えっと、ある意味周りから見ればこれってデートなのか!! え、でもカミュとデートだなんて……想像できない。
「何をもたもたしている」
「あ、遅くなりました!」
「……お前」
「はい?」
カミュが私の姿を確認すると、一瞬目を丸くした気がしたが気のせいだったみたいだ。すぐにいつもの表情で上から下まで観察するように視線を泳がせる。もしかして……ファッションチェックされてる!?