第1章 お姫様にはまだ早い
「これが……私?」
今まで見たことのないような、本当に自分? とさえ疑ったしまうような、知らない私がそこには映っていた。
「ねぇ、天音。僕のペアになってくれない?」
「ん?」
ようやく喧騒の中で聞こえた声に、少しだけ疑問が生まれた。
「あれ、シャイニング事務所のアイドル美風藍よ!!!」
「きゃあああ藍くんだ!!」
「でもなんで女の子といるの?」
「藍くぅうううん!!」
シャイニング事務所? アイドル? 疑問を投げかけるように、彼に視線を映せば彼は違う意味で眩しい笑顔を向けてきた。あれ? なんだろう……今まで以上の嫌な予感がする。
「シャイニング事務所主催のイベント、うたのプリンセス様に僕のパートナーとして出てよ。天音」
「は……?」
よくわからないけど、波乱の予感です。