第14章 それぞれの理由
「すみません! あの、まさか知らないとは存じていなくて……」
「え、あ、いや……」
なら、先程映っていた彼は日本からの……?
「すぐに星織さんにお会いにし行かない理由は、単純に忙しいからもあるかとは思いますが……やはり」
「他にも、理由が……?」
私に愛想を尽かせてしまったとか? それならば、幾分納得がいく。
「一人で色々と、知って欲しかったからもあるのではないかと思います」
「え……?」
「美風先輩は、口下手みたいですし……この企画、意外と女性陣の皆さんの間で人気のアイドルさんのペアになった女性を、潰すという事案も発生しているみたいで……心配なされているのではと」
「……確かに、その傾向はあるみたいだけど」
「美風先輩にも、出来ることと出来ないことがありますから」
そうだ。彼は今まで何とか周りの人たちを、追い払っていてくれただけでそれは勿論根本的な解決にはならない。私がいっそ劇的に変わってしまうか、自分で彼女たちと立ち向かう必要があっただろう。
まぁ、もし彼がそれを狙っていたのだとしたら、今回はまんまとその思惑に乗せられ壱原さんと一戦交える……みたいな事態に発展してしまったのだと思うが。