第12章 Autumn編 C
待ち合わせの時計塔、何故かカミュさんの手で綺麗な洋服を着せられ、メイクも綺麗に施されまた新しい知らない私が生まれる。本当に、人の手で自分という存在はこんなにも変えられてしまうものなのに、それがほんの些細でその場しのぎでしかないだなんて。
誰が信じられるだろうか。
「あら、綺麗な恰好をしてきたのね。ブスが背伸び?」
「……」
「まぁ、いいわ。こっち」
先導されるまま、私たちは早乙女学園の中でも、木々が生い茂る深い深い場所まで入り込む。まるで人目から遠ざけるかのように。覚悟を決めるしかない。
「あんたもさ、のこのこやってくるなんて馬鹿なんじゃないの?」
彼女が指をぱちんと鳴らせば、木々の影から複数人の女性たちが出てくる。私を囲むように、怖い顔をしながら。これから何をされるのか、多少なら予想できそうだ。