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【うたプリ】足し算恋愛事情

第11章 Autumn編 B



「面識はほぼなくて、それでも好きで……どうやって近づいたらいいかわからなくて。自分の気持ちを伝えることで、今を変えられるような気がして……。でも、結果は駄目でした」
「……そうか」
「お前みたいなブスが? って、彼は言ったんです。正直ショックでした……でももっとショックだったのは、次の日に学年中に知れ渡って、私のことを何も知らない人が私の気持ちもその全ても、馬鹿にして笑ったことでした」
「……」
「凄く悔しかった……っ、可愛いなんて思ってはいなかったけど、ストレートにブスだと言われたのは初めてでした。言い返せない自分も、不登校をしてそれから逃げて何も解決しない自分も、全部、嫌いだって思いました」


 カミュさんは黙って何も言わず、私の言葉に耳を傾けてくれた。


「でも、美風さんに出会って……いろんなことを知って、待っているだけの駄目な私を連れ出して変わるきっかけをくれた美風さんが、とても大切で……っ、この人のために変わりたいって思って……でもそれが正しいことなのかわからなくて!」


 自分のために変わることより、やっぱり美風さんのために変わりたかった。あの人が、笑ってくれるのを少しでも長く見ていたかったから。

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