第10章 Autumn編 A
気にしていても仕方ないし、本日のスケジュールをこなすこととした。向かうはダンスレッスンの教室へと向かった。
いつも数人でグループを作り、練習をするのだが今日は少し違った。
「ん……? 天音ちゃん、グループは?」
「えっと……」
ただ苦笑いを浮かべることしか出来なかった。いつもは大きな問題もなく、グループを作って入れるのだが……今日はどっちのグループからも「人数が足りている」の一言で突っぱねられてしまう。
しかし、ダンスレッスンは必ず半々になるよう人数調整して行われているはずなので、そんなはずは……ないのに。
「おかしいわねぇ、確かにどのグループも人数足りてるわねぇ……じゃあ、ローテンション組んでどっちかのグループの練習に彼女も加えてあげてくれないかしら?」
そう月宮先生が言うと、一人の女性が一歩前に出た。金色の髪に、ツインテールが目立つ女性だ。
「すみません、あたしたちは彼女と練習したくありません」
「……!」
「壱原さん、理由を聞いてもいいかしら?」
「その人が入ると、リズムが乱れて全体の乱れに繋がるんです。前々から思っていたんですけど、ダンスが初めてなら仕方ないかと我慢していたんですが……もう時は九月です。半年過ぎても上手く出来ないようなら、全体練習に向いてないと思いますが?」
「天音ちゃん、彼女のグループに一度入って踊ってみてくれる?」
「あ、はい……」
月宮先生の提案で、壱原さんのグループに入り、曲を流し一度通してみることとなる。壱原さんとすれ違う。