第8章 Summer編 B
「愛佳さん、きっと探してます。自分で理由を説明するんだ! って言ってましたよ」
「放っておけ。いつものことだ」
これが日常茶飯事だというんですか? な、なんて巻き込まれ。
「それと、月宮先生が言ってました。愛佳さんはサボり気味だと」
「ふっ、だからどうした」
「心配じゃないんですか?」
「心配? そんなもの不要だろう。奴が自らの意思でそうするのなら、別にそれでも構わん。俺は優勝さえ出来ればそれでいいからな、それはあいつも同じだ。それが、あいつを選んだ一番の理由かもな」
「優勝出来ればいい……なんて」
「貴様くらいだろう。馬鹿正直に自分を変えて、変わって、優勝しようなど。優勝する奴というのは、元々容姿がいい奴のことを言う」
「そんなことないです……頑張って、努力すれば元がいい人にだって劣ることはありません!!」
「なら、貴様はどうだ?」
「……私は」
「口先でならばなんとでも言える」
――以前翔くんが言っていたのは、この事なのだろうか。
皆が皆、私のような理由で参加しているわけではないはずなのに。どこかで同じなのではないかと思い込んで……。
言うだけなら自由だし、なんとでも言えるのは事実。自分できっちりと証明しない限り、カミュさんの意見を覆すことは出来ないだろう。