第7章 Summer編 A
陽が長くなり、暑さが肌をさしアイスが美味しい季節となった。
「天音ちゃーん、この書類をある女の子に渡してきてほしいんだけど、いいかしら?」
「月宮先生……私でよければ」
「実は、カミュちゃんのペアの子になんだけど……ちょっとサボり気味なのよ」
「サボり気味?」
「まぁね……容姿端麗、お嬢様って感じで……確かにスペックは高い子だと思うんだけど。会えばわかるわ! 彼女と部屋、お隣でしょ?」
「え……? そ、そうなんですか?」
「そうよ! じゃあ、頼んだわね」
「はぁ……」
渡された一枚の書類を見つめて、一体どんな子がカミュさんのパートナーなのか、好奇心が生まれてくる。どうせ自室に戻る途中、手早く渡してしまおう。
カミュさんが選ぶパートナー……お嬢様、か。
「想像できない」