• テキストサイズ

【うたプリ】足し算恋愛事情

第28章 Secret True END





 ひんやり、冷たい。額に、とても冷たい柔らかな感触。これは、一体何?


「んっ……」

「起きたか、天音」

「!!?」


 飛び起きた。そりゃそうだ、意識がなかったはずのカミュの声がしたのだから。


「カミュ!!」

「煩い、黙れ愚民」

「……なんか、口悪い」

「貴様、よくも舞台に出なかったな!!?」

「……あっ」

「"あっ"ではない!! 何のためにこの俺が貴様の代わりに痛い思いをしたと思う!?」

「……ごめん、なさい」

「……っ、別に責めたいわけではない。何故出なかった、どういうつもりだ。俺はその答えを知る権利がある」

「カミュを置き去りにして、あの舞台に上がることなんて出来ない。そんなの、私には無理なんだよ」

「それが貴様の一年間の答えか? お前が積み重ねてきたものは、こんなくだらないことで投げ出せるほどだというのか!!」

「……そうだよっ!!」

「っ……な、に?」


 馬鹿はどっちよ、この馬鹿。

 私がどれだけ心配したか、どれだけ目覚めない貴方に恐怖したか、どれだけ早く目を覚ましてと願ったことか。


「積み重ねた全ては、別になくなるわけじゃない! 確かに結果を残さなければ意味がないと言われるかもしれない。でも私が大切にしたいのはそういうものじゃない!! そんな結果よりも、私はカミュの方が大事なんだよ!!!」

「……わからん。何故……俺のことなど、愛してもいないくせに」

「……それは……っ」

「一度俺の想いを断ったお前が、今もなお俺の心を絡め取る。お前はずるい、そしてあまりにも残酷だ」

/ 202ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp