第28章 Secret True END
カミュの手が、私の手首を掴んで引き寄せる。
体制を崩した私は、彼へと倒れ込む。
奪い取る様に、貪るようなキスを、与えられる。
「んっ……!!?」
「んっ……拒むな、受け入れろ……んんっ」
角度を変えて、深く口付けられて頭がくらくらする。息が、上手く出来ない。呼吸さえも、奪われていくかのようだ。
「はぁっ……ひゃっ!?」
視界が反転する。柔らかな感触が、背中に伝わると同時にカミュが真上へ覆いかぶさる。
押し倒されて、いた。
「残酷で愚かな貴様に、くれてやる……。俺を見ろ、俺だけを感じろ、他の誰にもお前を渡しはしない。天音、お前が例え美風を愛していようとも……俺しか見えぬよう、教え込んでやる。今此処にいるということを、後悔するほどに」
首筋へと噛みつくようにキスをされる。身体が痺れていくようだ。自由は奪われ、逃げることはもう出来ない。
「天音、俺の名を呼べ。カミュと……呼ぶんだ」
最後の二者択一。
二度と覆すことのできない、呪いにも似た誓い。