第27章 愛を誓うB
藍くんの病室の前、開けていいのかどうなのか……迷ってしまう。
「開けるのが、怖いかい?」
「……そうかもしれません」
この先に待つ彼は、眠り続けているかもしれない。もう目が覚めないと言われたら、どうしたらいいんだろうか……。
「でも開けないと、何も変わらないよ」
「……!」
そう、一歩踏み出さなくては。
思い切って、病室の扉を開けた。
白い部屋、無機質は空気。窓は開け放たれ、白い部屋によく似合う、純白のカーテンが揺れる。おそるおそる、彼が寝ているであろう方へ視線を上げる。
「……っ」
「なんて顔してるの。可愛くないよ、それ」
「っ……!! 藍くんっ!」
駆け寄って、抱きしめて、それから……それから。
ぎゅっと彼の体温を確認して、これが夢でないことを願った。本物? 嘘じゃないんだよね? 本当……本当だよね!?