第27章 愛を誓うB
「私なんかが、この大きくて綺麗な舞台に立つなんて……場違いかもしれません。でも! 私に変わるきっかけをくれた、大切なパートナーへ……大きな恩返しがしたい、させてほしいっ!! だからここに立たせて下さい!」
怖くて、涙交じりになっていく。勢いよく頭を下げれば、遠くの方で人の声がしてくる。
「頑張れー!!」
「可愛いよっ!」
「自信もって!!!」
顔を上げれば、沢山の声が聞こえてくる。驚くほど暖かくて、胸が熱くなる。ぐっと涙を呑み込んで、もう一度言葉を投げかける。
これが、今の私なんだと。
「この日のために、練習した歌を……どうか聞いて下さい。美風藍さんの曲で"A.I"」
私の気持ち全て、今此処にいない貴方まで届きますように。
触れられない距離になっても、今日が終わってもう会えなくなっても、私には貴方だけで……重ねた手のぬくもり、笑い合った日々。
貴方の笑顔を見ていたい、そう、いつまでも。
もしも貴方が私を好きじゃなくなってしまう日が訪れても、それでも貴方の笑顔をどうか近くで見させてほしい。
藍くん。貴方がくれた"愛"
歌に乗せて、送るよ。
ありがとう。