第26章 夢の終わりはA
「俺はお前みたいにうじうじしてる、面倒くさい女が好きじゃねぇんだよ。そうやって泣きながら隣にいればいつか目醒めてくれるのか? ちげぇだろ。別にお前のせいじゃねぇよ。飛び込んだこいつが悪い」
「そんな言い方やめてくださいっ!!」
「それにな、好きな女の為にここまでやるような馬鹿、俺は知らねぇ。このままくたばるだけなら、それはただの馬鹿で終わる。でもな、こいつは目を覚まさなくちゃならねぇんだ」
「……何が、言いたいんですか」
「お前が弱いからだよ」
「……!!」
胸に突き刺さる言葉。視線を逸らすように顔を背ければ、彼からは「はっ」と鼻で笑われる。
「目を覚ましてやらないと、お前がいつまでも泣き止まないみたいだからな。美風は大変だな」
「っ……」
「悔しいか? 言い返す言葉もないだろう? そりゃそうだよな。お前はコンテストも放り出して、美風美風って泣いて逃げ出したんだもんな」
彼の言う通りだ。私は目の前のことから、立ち向かわずにここに縋りつくだけ。いつ目が覚めるのかもわからない彼を、思いながら泣くばかりだ。