第26章 夢の終わりはA
「はい、どうぞ」
「おう、入るぜ」
「えっ……?」
扉を開けて、顔を見せたのは、蘭丸さんだった。
「なんだよ、美風の奴まだ寝てんのかよ。本当に手のかかるガキだぜ」
その手には、白い箱。
「あ、お前も食うか? こいつが好きだって以前言ってたマリンゼリーを差し入れに持ってきたんだ」
「戴いてもいいのでしたら」
「おう、食え食え。お前細いからな、食わないと死ぬぞ」
「そ、そんなに簡単に人は死にません……」
「そりゃそうだろう。だから、美風だって大丈夫だ」
「……」
ゼリーを食べ始める蘭丸さんに目を向けると、不意に視線が絡み合う。瞬間、蘭丸さんは物凄い勢いで睨み付けてくる。