第23章 シンデレラ
この日のために、けれどそれ以上に今日という日が用意されていたからこそ、こうして今の自分に出会えたこと。
「いってらっしゃい、天音」
「いってきます!」
舞台の上へと、藍くんと入れ替わりに出ていく。
プリンセスたちは、大きなゴンドラに乗りながら上から舞台へと降り立つ。
大きな舞台、沢山のサイリウムにお客さんの数。思わず足が竦んでしまいそうだ。
「星織天音」
誰かの声が耳元で聞こえた。それと同時に、後ろから思い切り突き飛ばさる感触。
「え……っ?」
私の身体は、ゴンドラの外。
重力に従い、落ちていく。
「天音っ!!!」
スポットライトの灯りが、消える。