第22章 人魚の夢
「人を好きになるって……こんなにも、嬉しくさせてくれるものなんだね。僕には、知ることのない感情だと思っていたんだけどな」
「藍くん……」
「ああ、そうだ。一日早い、クリスマスプレゼントだよ」
藍くんが可愛らしい小箱を、私へと渡す。私も彼に、綺麗な包まれたプレゼントを渡した。
「これ、今開けてもいい?」
「当日の楽しみがなくなっても、いいならね」
「うっ……」
「僕のは開けてもいい?」
「わかった! 私のは、当日開けるね? そっちは今開けて!」
「えっと……ん? これは」
藍くんがプレゼントの包みを開ける。中には、マリンブルーの縁の、写真立て。