第21章 この恋心不良品につき 番外編
「ふふ、ではわたくしは貴方という存在を逆に利用して、優勝して更に芸能界入りを果たして見せますわ。なんとしても……勿論それには、貴方に協力してもらいますわよ」
「もし、裏切れば……?」
「その時は……。全権力を奮って、貴方の秘密を暴いた上でスポットライトの前に晒して差し上げますわ」
「はっ! いいだろう。気に入った。俺のパートナーになれ、愛佳」
「臨むところですわ。カミュ」
今思えば、わたくしたちはあまりにも攻撃的で、それでいて鏡合わせのようでもあった。
似ている、などという言葉では失礼かもしれない。異なっていながら、まったく違うと言い切ってしまうのを躊躇ってしまうほどに。
勿論そう思っているのは、あの日から今日までわたくしだけでしょうけど。