第19章 終末の彼方で
「好きって、なんだろうね。LikeとLoveの決定的違いってなんだと思う?」
「どうして今、そんなことを聞くの?」
「君の気持と、ちゃんと向き合いたいから……かな」
少なくとも、私の気持ちをしっかりと受け止めようとはしてくれているみたいだった。ほっと胸を撫で下ろす。様子に気付いたのか、藍くんがたどたどしく苦笑いを浮かべた気がした。
「他の人と一緒にいる天音なんて見たくない。正直、閉じ込めて部屋から出したくないほどに」
「何それ、怖い」
「冗談だよ、冗談」
冗談に聞こえなかったのは、私の気のせいだろうか?
「でも僕には、それがどこから来る気持ちなのか、いまいちわからない。天音と同じものなのか、それとも異なる何かなのか。うん、ちょっとよくわからないんだよね」
「真面目に言ってるんだよね? えっと……」
「困らせてるよね、ごめん」
藍くんの戸惑った視線が伝わってきて、彼がこの状況に多少なりとも混乱していることを、ようやく知る。