第17章 Winter編 A
「じゃあ、とりあえず"皆で"休憩して、それから買い出しに行くのは……」
「「駄目に決まってる(でしょ)」」
「カミュに藍くん……いい加減にしてね」
あれから、私は美風さんを藍くんと呼ぶようになり、そのお陰か少し前よりもっと距離が縮まった気がする。ただ一つ問題なのが、それを察したカミュの猛攻撃が始まったことくらいで。
そう、私は早急にカミュへ返事をした方がいい状況を作り出している。
とは言ったものの、実はそういう簡単な問題でもなかったりする。
「天音はカミュに甘いんだよ! そんなことだから、カミュが君に毎日甘いお菓子を持って邪魔しに来るんでしょ!!」
「ええ!? 別にそんなつもりはないよ!?」
「天音は美風に弱い、だからこんなくだらないことを言い始めるんだぞ」
「わ、私のせいなんですか……?」
口元が引きつる。この人たち、本当に言いたい放題なんですけど、これは……。
それを見兼ねた愛佳さんが、ずかずかやってきて物凄い喧騒で「行きますわよ! カミュ!!」とカミュを引きずってどこかへと消えて行った。
「カミュざまぁ」
「藍くん!!!?」
何故か先が思いやられる衝動にかられました。