第17章 Winter編 A
早乙女学園にも、雪が降り始めた。私たちといえば、もうすぐやってくるうたのプリンセス様コンテストのため最終調整を行っている段階に入り始めていた。
そのはずではあるんだけど、あるんだけどなぁ……。
「天音、ケーキでも食べないか? 少し一緒に休憩しよう」
「天音……コンテストのための洋服を見繕っておきたいから、一緒に買い出しに着いてきてくれないかな」
「えっと……」
「おい美風、俺が先にこいつを誘ったのだ。後にしておけ」
「はあ? カミュって馬鹿なの? 僕の用事の方がよっぽど重要なんだけど。カミュこそ、一人でケーキ食べてたら?」
「なんだと……? ふっ、別に貴様と食べたいわけじゃない。俺は、天音と共に食べたいだけだ」
「カミュの方こそ、後にしてよ。僕たちは互いに優勝を目指して、忙しいの」
「ならば天音に決めてもらおうか。おい、どっちにする?」
「天音なら、どっちを選ぶべきかちゃんとわかってるよね?」
「あの……」
何故かこの二人に挟まれて、大変なことになっています。