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【うたプリ】足し算恋愛事情

第16章 滴る果実は囚われる



 到着した後も、変わらない態度で私を病室まで送り届けると、カミュは私の頭をゆっくり撫でると病室を後にした。


「どうして……」


 きっと私なんかより、可愛くて素敵な人はいっぱいいるだろうに。それでも彼は、他の誰でもない私を好きだと言ってくれた。

 勿論嬉しくないわけがない。そのはずなんだ。


「それでも、美風さんに早く会いたくて仕方ないだなんて……とても、酷い話だよね」


 月の光だけが、部屋を照らした。






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