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進学校の落ちこぼれ女子

第14章 変わった


中間テストの成績発表。

2年になっても山本くんは学年1位だった。

山本くんは満足そうに成績を眺めていた。

一方、私はちょっとヤバイ。

赤点ではないけど数学は48点だった。

他の科目もせいぜい60点いくかいかないか。

なんとか期末まで乗りきって、夏休みにちゃんと復習出来ればいいけど…。はぁ…。

ちなみに隣の席の斉藤くんは答案用紙が返ってくる度、私のをチラ見しては「えっ」てドン引きしてた。

「須藤って、そんなに賢そうに見えないけど、山本の彼女だからそこそこ出来るんだと思ってた。
そうでもないんだな」

って、コッソリ言われた。うるさい。

……

朝、いつも通り山本くんと登校してきたとき。

ふと下駄箱で上履きに履き替える山本くんの様子をなんとなく見た。

すると、山本くんが自分の下駄箱から何かを取り出してカバンにしまっているようだった。

「手紙…?」

私は後ろから声をかける。

「え…? あぁ…そうかな?」

彼が答える。

「もしかしてラブレターじゃないの!?」

私はちょっとアタフタする。

彼がふっと笑う。

「さぁ…まだ中見てないし。果たし状かもしれないよ? じゃあまた昼に」

そう言って、彼は自分の教室に入っていった。

いや、薄ピンクの封筒だったし…。

この状況はラブレターでしょ…。

ていうか山本くん…やけに落ち着いてるな…。

山本くんの性格的にもっとワァワァしそうなもんだけど…?

もしかして…初めてじゃない…?
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