第13章 ごめんね
「一緒に行った男バスのヤツに聞いたよ。俺と同じクラスの。
観覧車に一緒に乗ったって。帰りも一緒に帰ったって。いい感じだったって」
いい感じって…。
私は言い訳? する。
「観覧車はみんなとりあえず男女カップルで乗ろうってなっただけだし…。帰りは…あの…斉藤くんて、わたしと家の方向が一緒だから…」
「……」
山本くんが不機嫌そうな顔で黙り込む。
なんだろう…。私が悪いのかな…。とりあえず謝った方がいいのかな。でも謝ったら私が悪いみたいだし…。
「女子バスの子だけで行くみたいなこと言ってたくせに…」
ちょっと不貞腐れた感じで山本くんがつぶやく。
「わたしはそのつもりだったんだけど、行ったら男バスの子がいて…人数合わせだからゴメンねって言われて…」
「後からでもさぁ…言ってくれたらよかったじゃん…。俺…なんにも知らないで…。
遊園地とか…俺もさやかちゃんと遊園地行きたいけど…女の子同士で行くならしょうがないって思ってたのに…」
山本くんがしょんぼりして言う。
そっか…。そうだよね…。
「山本くん黙っててごめんね…。なんか気まずくて言わなかったんだけど…。ゴメン。余計悪かったよね…」
私は山本くんに謝る。
彼はうつむいたままちょっと微笑む。
「許してあげる」
彼がもう一度私にキスする。